2010年 11月 17日
Y Flat
年初に竣工したマンションリノベーション物件の撮影を先月行いました。竣工時にも撮影しているのですが、今度は生活を始められて10ヶ月後の様子を撮影させてもらいました。撮影は繁田諭氏。いつもお願いする写真家です。
HPに近日中にアップしますが、いち早くブログでご紹介。

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リビングの様子
お施主さん(独身)に相談を受けて提案した丸テーブル、椅子、カーテン全て白です。ここまで白の空間を作ったのは始めてかもしれません。ただしソファだけがピンク。これは、お施主さんの希望で設計段階から決まっていました。壁面の白塗装(Farrow&Ball)は、家具ショールームに白の塗装見本を何点か持っていって張り地見本と合わせながら決めたのです。

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壁に掛けられたタブローは、友人でアートコーディネーターの三ツ木紀英さんに提案してもらった片山雅史氏の作品です。テクチャーのある白と金色の画面は、見る角度や光の状況で表情が変わり、うっすら光るところがとても素敵です。この部屋にピッタリの作品です。

このマンションは築40年。お施主さんは20年前にこの部屋を中古で購入され、その時にも改装をされているので今回が2回目の改装。つまりこの部屋は3回内装が変わっているわけです。窓からは敷地内に立つ桜の木が正面に見えます。その桜の木だけは40年間毎年花をつけ、緑を提供してくれています。20年後、また会えるといいです。

竣工時の様子、その他写真は、ヤマサキアトリエのウェブサイトをご覧下さい。
http://www.atelier-yamasaki.com/project/index.html
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# by hiroshiyamasaki | 2010-11-17 12:23 | リノベーション
2010年 11月 15日
芋版画
日曜日。ちびまる子ちゃんの DVDで版画の存在を知った5歳の娘に版画をやりたいと言われ、芋版画をすることにしました。輪切りにした芋に「何を彫りたい?」と聞くと「 LOVE」だそうです。このませガキ。「LOVE」の鏡文字を書いてあげ、彫らせます。初めての彫刻刀ですから、けして自分の身体がある方に向けて彫らないなど使い方を教えれば、芋だから以外とすんなりと彫りました。絵の具絵をつけて紙に押し付ける。次は自分の名前。カタカナだと彫り易いから「レオナ」。外出中の妻に手紙を書いて判子を押す。人類が何千年もやってきたコミュニケーションですね。

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我が家では比較的早くから本人が望めばいろんな画材や道具を使わせています。3歳くらいで絵具も使わせたし、はさみもその頃。妻が美大のデザイン科にいた頃の画材があったので、マーカーやパステルも使います。そして、包丁。包丁は無駄な力をかけなくても済むように良く切れるもの使わせ、子どもを信じて、手を貸さないようにして見守る。もうハラハラしてじっとしてられないんですが、なんとか我慢する。
道具を使うことは、本当に大切なことだと思っています。それは人が生きていく上で絶対に必要なことだから。でも最近では、道具を使ってものを描いたり作ったりすることよりも、頭で知識を増やすようなことばかりが重要視されすぎていると感じています。道具を使うことが人類の歴史そのものなのだから、それだけで必要な知識の半分は得られるんじゃないかと僕は思うんですけどよね。
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# by hiroshiyamasaki | 2010-11-15 01:11 | 子育て
2010年 11月 13日
なぜ石は赤くなったのか
1ヶ月程前に、市川市行徳の知人から「常夜灯が赤くなったのだけど、そんなことあるのでしょうか」と質問を受けた。
常夜灯とは江戸川沿いにある灯台みたいなものです。文化9年(1812)作られ、この付近に日本橋とを結ぶ船の船着場がありました。昨年この付近を公園として整備して、年末に常夜灯は再設置されたのです。そしてその時はなんともなかったのだが。。。

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さて、本八幡が住まいの僕は何のことかわからず、そのうち見に行ってみますよ、なんて言っていました。
というわけで、先日見に行ったのですが、確かに赤くなっている。なんだこれは?よく見ると欠損した部分を新たに作って結合しているようです。その補修部分が主に赤くなっている。それにしても何故?わからない。接している古い部分も一部赤くなっているから、接合した後の処理で何かが起こったか。

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建築系の文化財修復に詳しい友人などにメールで問い合わせてみると、接着剤が石と化学反応したのではないか、洗浄や撥水処理をした薬剤が石と反応したのではないかなど、でも写真で見るだけでは推測しかできないとのこと。市に担当課に電話するも担当者が外出中とのこと。
そうこうしているうちに、問い合わせた1人が電話をくれました。彼はこの修復に関わった人を知っているようで、話を聞いたというのです。その話によれば、新しく作った部分を古い部分と馴染ませるために塗装を施したのだが、設置後しばらしして風雨に晒されるうちにいくつかの塗料が落ちてしまい、赤いベンガラだけが残ってしまったのだということでした。設置後数ヶ月で剥げてしまったのですから、塗装の仕方がお粗末だなあと思いつつも、長い時を経てきたものを修復することの難しさも感じます。塗装なんてしなければよかったのかというと、それはそれで直した部分が目立つでしょうし。では、最初から補修などしなければよかったのか?
ただただモノとそれを包み込んできた時間に謙虚であれと思うばかりです。
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# by hiroshiyamasaki | 2010-11-13 21:18 | 市川市
2010年 11月 04日
鴨川七里
3日文化の日、千葉県鴨川市へ枝豆「鴨川七里」の収穫ツアーに参加しました。「鴨川七里」は安房鴨川に古くから伝わる在来種の大豆で、10月下旬から11月初旬に収穫する晩生の枝豆です。特徴は豊かな香り、その香りが「七里に広がる」と言われたのが名前の由来です。
爽やかな秋晴れの中、太い茎に少し苦戦しながらも、約2時間程汗を流して、こんなに持って帰っていいのですかというくらいの大量の枝豆を収穫。さらにこのツアーを協力していただいた鴨川市の佐々木商店さんから地元のお米「長狭米」2キロまでいただき、千葉県の食と食が作る豊かな風景を感じることができた有意義な一日となりました。
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枝豆畑
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おみやげの「長狭米」


このツアーを企画したNPO法人いちかわ地球市民会議「鴨ネギプロジェクト」の方々、ありがとうございました。
帰宅後早速、ビールと枝豆を楽しんだことは言うまでもありません。うまい!
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# by hiroshiyamasaki | 2010-11-04 23:32
2010年 11月 02日
消えゆく町
先日仕事で西新宿に行ったついでに、ブラタモリで紹介されていた都庁の裏手のエリア(十二社)をカメラを持って散歩しました。店の裏が池だったという蕎麦や、階段上になった路地など昔を偲ばせる場所を再確認しながら歩くと楽しい。しかしそれ以上に最新の高層オフィスビルやマンションとすぐ隣に建つ小さな家などとがつくる風景のコントラスト引きつけられてしまいました。
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この先に池があった?

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強烈なコントラスト


そして、そういう風景を写真に納めているうちに気がついたのです。ある一角(5000㎡くらいのエリア)の家々にはもう住む人がいなくなっていることを。用地買収がほぼ完了していて近い将来、オフィスかマンションに取って代わるのだと思いますが、その場所をウロウロして気がついたら何枚もの写真を撮っていました。別にノスタルジーを誘うようなものがあるわけでもないのですが、町が破壊され新しい建設が始まる前に記録しておいてあげようと思ったのです。誰も写真など撮っていないかもしれないから。
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住む人のいない町
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町会のお知らせが立っているが、近辺に住む人はいない。


建築の仕事は常に今ある風景の書き換え作業です。当然、より良くしようと思って設計したりするわけですが、それは書き換えられるものの犠牲を伴います。それが仮に醜く、刷新されるべきものであったとしても、そこには必ず人々の生きた時間があり、誰かの思い出もあるかもしれない。人々が織り重ねてきた場に新たな一書きを加えていくことの責任の重さ。でも同時にこの更新のダイナミズムこそが建築の面白さでもあったりするのだから、困ったものです。
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# by hiroshiyamasaki | 2010-11-02 16:36 | 街歩き